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スマート家電の危険性2013年08月04日 22時47分59秒

THE WALL STREET JOURNAL日本版のウェブサイトに、「ネット接続の家電は危険 ハッカーが脆弱性を指摘」(DANNY YADRAN、2013年8月1日14時48分配信)という記事が掲載された。

家電がスマート化(ネットワークに常時つながって各種サービスを受けることができること)されることで、家電を外部からハッキングして自由に操ることができるようになる危険性を指摘している記事だ。

たとえば、ワシントンの米商工会儀所が所有するタウンハウスのサーモスタットは、知らないうちに中国のサーバに信号を送っていたという。

また、サムソン電子のカメラ内蔵のテレビは、外部から操作されて、テレビの前で行われていることを外部に送ることができるという。

家電がスマート化するとともに、このような脆弱性が以前から指摘されていたが、実際にハッカーがやってみせてくれたところに説得力がある。

外にいるときでも、スマートフォンを使って、家の家電を操作できれば、便利なことも確かにある。しかし、家電はコストと使い勝手の制約からセキュリティーはPCとは比較にならないくらい貧弱だ。

このまま、家電のスマート化を進めることは大いに問題があると思う。

ともかく、同記事も言うようにネットにつないだら「お終い」なのである。

たとえば、日本の地デジテレビには、ほとんどの機種にLANコネクターがついている。ネットテレビを見たりするために、LANケーブルをつなぎっぱなしという家庭も多いだろう。ぼくの家でも、ニコニコ実況を見るために、ソニーのブラビアにLANケーブルをつないでいる。

で、地デジテレビにはB-CASカードがささっている。このカードがないと、テレビを見ること(一部の暗号化されていない放送を除く)ができないという、システムと一体になった不可欠のデバイスである。
この地デジテレビがインターネットに接続されていると、技術的には、B-CASが管理している情報を外部に送ることができる。

別に、B-CASカードが、視聴情報まで外部に送っていると言っているわけではない。それをやれば大問題になるのでやっていない(はずである)。
しかし、技術的には、できることなので、いつかだれかがやるだろう。
それが、B-CAS社であればまだいい。もしも、悪意を持ったサイバー攻撃が行われれば、日本中のテレビの視聴情報が・・・・
ま、妄想はこの程度にしておきましょう。

要するに、ぼくが言いたいのは、「便利だ!」と単純に喜ぶのではなく、セキュリティ意識を強く持てということである。
では、どうすればいいのか。記事に登場するハッカーのリー氏は言う。「コンセントを抜けば良い」と。

ハハハ、確かにその通りだ。それしかハッキングから身を守る方法はないということだ。

しかし、残念ながら、家電を使わないわけにはいかないし、社会全体のうねりとなっている情報化の流れは止められない。もはや、個人情報の保護を、なんて言っても手遅れなのである。

では、どうすればいいのか。はっきりいって、ぼくらのような一般人の個人情報がどこかに蓄積されても、ちょっと割り切ってしまえばなんでもないんだ。
だって、通販で、どんなデジカメを買ったかとか、どんなサイトを見ているかといった情報を盗られても多少気分は悪いが、それがどうした? という程度の情報である。

困るのは、有名人・政治家などの権力者・官僚などの利権を持つ者・大メディア・有名ジャーナリストといったなんらかの形で影響力の大きな人たちだ。
そういった人たちの個人情報は、ライバルにとっては、実に美味しい情報なのだから。

というわけで、ほんと、面白おかしく今後の推移を見守りたいと思う。