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情報は一つ下の次元で見るとわかりやすい2012年07月25日 23時47分29秒

東京新聞ウェブ版に「3D邦画しぼむ 今夏1本のみ」という記事が載った。(7月22日)

洋画の3Dは人気があるのだが、邦画では2010年から今年にかけて15,6本の3D映画を公開したそうだが、今年の夏は、とうとう新作は0になってしまったそうだ。

その理由として、制作費が高い割に客の入りの悪いこと。そして、動きが少なく心理描写が多い邦画には3Dは向いていないという点をあげている。
確かに、洋画のように、戦闘機が飛び交い、車が走り回るような画面では、3Dは迫力があるが、小津安二郎の映画を3Dにしてもあまり意味がないだろう。

しかし、邦画独自の風土だけの問題でもないのではないだろうか。人間の目と脳は、平面上に映し出された画像を見ても、立体的にイメージすることができる。たとえば、、マウスを動かしながら対象物をグルグルと動かしながら見ると、十分立体的に見ることができる。

映画の3Dは、すこし不自然である。ぼくも3D洋画は劇場で見たが、迫力はすごいのだが、見え方がどこか不自然なのである。それは左右の視差しか利用してないからかもしれない。実際の世界では顔を斜めに動かしたり、傾けたりする。そううときの微妙な立体感の違いは再現されていない。

ところが、パソコンのディスプレイみたいな平面に映された画像は、ごく自然に違和感なく立体感を感じることができる。人間の感覚への入力情報は平面つまり二次元が適しているのではないだろうか。

情報通信の分野では、臨場感通信といって、3D情報の伝送を目指す方向性もあるが、いたずらに情報量を増やすより、二次元情報をうまく活用した方が利口かもしれない。

自分たちが存在している次元より一つ下の次元で情報を見た方が、全体を理解しやすいのではないだろうか。