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富山で小型機墜落2017年06月03日 22時25分21秒

 3日午後3時頃、富山県立山町の山間に新中央航空のセスナ172P型機が墜落した。午後2時23分に富山空港を離陸し、約1時間の飛行計画で松本空港に到着予定だった。
 富山空港と松本空港の午後12時から同3時までのMETARは次の通り。

RJNT 030600Z VRB02KT 9999 FEW020 SCT030 BKN100 17/10 Q1007
RJNT 030500Z 32004KT 260V020 9999 FEW020 SCT025 BKN100 17/10 Q1007
RJNT 030400Z 27007KT 9999 VCSH FEW015 SCT025 BKN040 16/12 Q1008
RJNT 030300Z 27009KT 230V300 9999 VCSH FEW015 SCT025 BKN040 16/10 Q1008

RJAF 030600Z 36012KT 9999 FEW050 19/06 Q1003
RJAF 030500Z 34015KT 9999 FEW050 SCT080 BKN100 19/06 Q1003
RJAF 030400Z 02008KT 340V060 9999 FEW045 SCT120 20/07 Q1002
RJAF 030300Z 35009KT 9999 FEW040 BKN100 18/05 Q1003

 気象庁のウインドプロファイラによると、14時の上空3000mの風は河口湖で、南西5KT。

 富山空港出発時に近い、午後2時の天気はBKN100(シーリング1万フィート)、その前の午後1時はBKN040(同4000フィート)で管制圏内のところどころで驟雨がある。
 松本空港は、到着予定時刻に近い午後3時には少しよくなっているが、午後2時には、BKNで1万フィートだ。松本空港の標高が2200フィートくらいだから、気圧高度1万2000フィートにはBKNの雲があるということだ。このあたりの北アルプスは1万フィート程度の山が連なっている。
この天候では、VFRで山越えはできないと判断するのが普通だろう。
富山と松本の天候がこのような状態ということは山岳部はさらに条件が悪いということは容易に予想できる。
 それ以前に、セスナ172のようなパフォーマンスの低い飛行機では、富山・松本のダイレクトコースの飛行はほとんど無理に近い。

 山頂からの間隔は、最低でも2000フィート、可能な限り4000フィート以上の間隔をあける必要がある。単発プロペラ機、ターボも与圧も無い機体で、この山越えコースは無理である。しかも4人乗っていれば、燃料を減らさないと最大離陸重量オーバーになる。この点ははさすがに機長は考えていたと思うが。

 今のところ(午後10時)報道されていないので、飛行計画書に書かれていたコースはわからない。もしかしたら、糸魚川経由のコースを予定していた可能性もある。そのコースを選ぶのが正しいのだが、それなら、あの場所には墜落しないだろう。
 かなり残念な事故である。

(この記事は、報道された情報のみに基づいた記事です。信頼性は低いです。)

【追記】
墜落場所は獅子岳南東斜面、標高8700フィートあたり。