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最近の出版業界2009年05月02日 21時31分59秒

新聞報道によると、最近、いくつかの出版社が自己破産した。
ひとつのは編み物の名門出版社の雄鶏社、もうひとつは教科書の一橋出版である。

出版社って、景気が悪くなっても意外とつぶれないものなのだが、ま、やはりつぶれるときはつぶれるということだ。幸い、両社とは仕事の関係がなかったので、債権者にならずにすんだ。

出版業界は、バブル崩壊後、ゆっくり下降線を描いている業界なので、いずれはつぶれる出版社も出てくるだろうと思っていたが・・・

とはいっても、もともと大手以外は経営基盤の弱いところが多いので、小規模出版社の中には人知れずつぶれていったところもある。でも、また再起して、という感じでけっこう柔軟性のある業界である。

この二つの出版社を見ていると、雄鶏社の場合は、編み物・手芸を楽しむ人の数が減ってきたことがあげられるだろう。
一橋出版の場合も、教科書出版なので、少子化によって、売り上げが減ってきたわけだ。
つまり、ひいきめに分析すれば、出版そのものがだめになってきたわけではなく、少子化の影響をもろに受けたということだろう。

しかし、さらにひるがえって言えば、少子化の影響は消費者向け商品を売っているあらゆる業界にいえることであって、なにも出版業界に限ったことではない。

となると、出版が斜陽になってのは、やはり本や雑誌というメディアのあり方が時代にそぐわなくなっているということだ。
だとすれば、時代にあった新しいメディアを創出していけばいいのだ。

しかし、それがなかなか難しい。大手出版社が先行してそういう流れをつくってくれればいいのだが、その大手が、もう小回りの効かない状態になっている。

今の経営者や50代以上の管理職クラスは、1990年あたりまでの出版バブルの成功体験が刷り込まれているから、なかなか現状を打破できないだろう。

しかも、大手で役職がついて給料が高くなれば、自ずと冒険はしなくなる。イノベーションがおこらない構造になっている。

中小も、目先の利益を捻出するために必死だし・・・

なんとか良くしていきたいですねぇ。